口からご飯が食べられない | 胃瘻(いろう)は善か悪か?

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医療介護
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こんにちは。
いつもブログを見て頂きありがとうございます。

☑本記事の内容

  • 胃瘻について
  • 胃瘻が必要なとき
  • 胃瘻の代替手段

こんな悩みを持った方にオススメです。

胃に穴を開けるの?

何だか怖い。

一度胃瘻にしたら戻せない?

ネガティブなイメージの多い胃瘻について、なるべく専門用語を使わないようにして解説していきます。

目次

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口からご飯が食べられない | 胃瘻(いろう)は善か悪か?

そもそも胃瘻(いろう)とはなんなのか?カンタンに解説します。

  • お腹に穴を開け
  • 管を通し
  • 直接栄養を流し込む

この医療処置の事を胃瘻(いろう)と言います。

点滴は腕から針を刺し、血管を通して栄養(水分メインの栄養剤)を流し込みますが、胃瘻は直接流動食を流し込む事が出来ます。

この説明を聞くとおそらくこんな事をイメージすると思います。

  • お腹に穴を開けて大丈夫なのか?
  • 強制的に食事をさせているみたいだ。
  • 人としてどうなのか?
  • 本人の希望なのか?

これらは実際に医療の現場で家族が発言することが多いです。

医療の現場でも、ネット上でも同じような意見多く、感覚としては

  • ポジティブな意見:2割
  • ネガティブな意見:8割

これくらいマイナスな医療処置と一般的に言われています。

メリットもデメリットもありますので、よくある意見について深掘りしていきます。

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なぜ口から食事が出来なくなるのか?

理由は様々ですが、代表的なところですと。

 

  • 認知機能の問題
  • 喉の機能の問題

この2つです。

認知機能の問題

いわゆる認知症の進行によって、食べ物を食べ物と認識できなくなる事が原因です。

ご飯やおかずを食卓に出されても、それが食べ物だと認識できないので噛んだり飲み込んだりする事が出来ません。

年齢によって認知機能が衰える事もありますし、病気によって認知症が進むこともあります。

噛んだり飲み込んだりする機能や力は問題無いのですが、口にご飯を入れても吐き出してしまします。

喉の機能の問題

次は喉の機能の問題です。

主に病気によって、飲む力や噛む力が急激に落ちてしまいます。

  • 誤嚥性肺炎
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)
  • パーキンソン病
  • 嚥下障害

少し難しい言葉ですが、このような診断を受けると口からご飯が食べられなくなる可能性が出てきます。

小児の場合も機能が理由

胃瘻については高齢者だけではありません。

小児についても胃瘻の方がいます。

認知機能については、まだ判断が出来ない・あるいは成長段階なので、基本的には機能の問題となります。

お子さんの場合もお腹に穴を開けて、ミルクや栄養剤を注入します。

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胃瘻のメリット

それでは胃瘻のメリットについて考えて行きましょう。

安定して栄養の摂取ができる

一番のメリットは、確実に必要なカロリーや栄養がとれるということです。

いわゆる完全食のようなものを直接注入しますので、バランスのとれた状態を保てます。

特に高齢者の場合は、食べる行為にも体力を使いますので、食べたくても疲れて必要なカロリーが取れないと言うこともあります。

薬もお腹の穴から直接いれる事が出来ますので、薬が大量にある方でも問題ありません。

誤嚥性肺炎にならない

高齢者が亡くなる原因として近年「誤嚥性肺炎」が多く見られます。

ご飯を食べたときに肺の方に入ってしまい、炎症を起こして肺炎になることを誤嚥性肺炎と言います。
  • 高熱
  • 吐き気

様々な症状で体を苦しめ、最終的に亡くなる方が多い病気です。

予防するためには飲み込む力を強くするしかないのですが、胃瘻の場合は喉を使いませんので誤嚥性肺炎になることは無いです。

食事の時間と手間

高齢者の食事の介助をする場合、1食を食べ終わるまでに少なくとも30分~60程度の時間がかかります。

その時間は他の事は出来ません。

ですが、胃瘻の場合は注射器で栄養をいれるだけなのでかなり早いです。

種類にもよりますが、点滴のように液体をポタポタさせて、お腹から栄養をいれる事もあり、この場合は時間が60分程度かかりますが、介助者は何もやることがありません。

液体が落ちるのを待っていれば良いだけです。

手術が簡単

お腹に穴を開けると聞くと、大変な手術をイメージする方が多いのですが、実際は日帰りで出来る手術です。

時間も1時間もかからずに終わってしまいます。

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胃瘻のデメリット

今度はデメリットも考えて行きましょう。

おそらく胃瘻の手術を躊躇する原因になると思います。

見た目のイメージ

何か症状に関する事ではなく、一番胃瘻を反対する上で多い意見は「胃瘻の見た目のイメージ」です。

特に高齢の方に多い印象です。

例えは少々悪いのですが

  • ピアス
  • 美容整形

このようなものの延長に胃瘻の嫌悪感があります。

実際にお腹に穴を開けて管を通すことになるので、見た目は良いものではありませんし、仮に歩行の出来る方であれば、洋服を脱ぐシチュエーション(例えば温泉など)には行きたくないという方が多いです。

感染の問題

お腹に穴を開けますので、少なからず細菌が入り込むと感染症を起こします。

さらに、胃液の逆流などでお腹の周りがかぶれたり荒れたりします。

胃瘻が原因で発熱する事もあるので、注意すべき点です。

交換の問題

胃瘻に使う物品は、定期的に新しいものに交換しないといけません。

  • 月に1回のタイプ
  • 半年に1回のタイプ

交換は自分では出来ないため、病院に受診する必要があります。

寝たきりや通院困難な方の場合、ご自身の病気の通院に加えて胃瘻の交換の為にまた受診をする必要があります。

受診のために介護用のタクシーを手配したり、家族の仕事を調整したりと時間も費用もかかるため以外とコストがかかります。

介護施設の問題

胃瘻があることにより、利用出来る介護施設に制限が出る事があります。

  • デイサービス
  • ショートステイ
  • グループホーム

その施設によって条件が変わりますが、「医療処置がある」と言うところで受け入れ拒否になってしまうケースも少なくはありません。

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胃瘻は途中で辞められるのか?

胃瘻に関してよくある質問は

一度胃瘻にしたら一生そのままなのか?

という疑問です。

これは結論から申し上げますと、胃瘻は中止・辞めることが出来ます。

とてもシンプルな理由ですが、お腹に穴を開けて管を通しているだけなので、管を抜いてしまえば穴は塞がります。

人の自然治癒の力で、時間はかかりますが胃の穴も塞がり、お腹の表面の穴もだんだんと閉じてきます。

若干の傷跡(手術をしているので)は残りますが、さほど気にはならない程度です。

つまり、胃瘻にするかどうか迷われている方で、途中で辞められる事を知らない人がたくさんいますので、検討材料になれば幸いです。

胃瘻を辞めるタイミング

続いてどんなときに胃瘻を辞められるのか?

これについて考えていきます。

  • 自然な形で最期を迎えたいとき
  • リハビリで口から食べられるようになった時
  • 成長して口から食べられるようになった時

大まかにこの3点です。

自然な形で最期を迎えたいとき

これは高齢者の終末期の問題です。

意思疎通も困難になり、ただひたすら栄養はいれているので体の状態は保てている。

本人も何を希望しているのかわからない。

こんな状態の時です。

主に意思疎通が出来ている間に、本人の希望を聞いておいたり、家族の判断で胃瘻を辞める事が出来ます。

リハビリで口から食べられるようになった時

こちらは肺炎や若い方の病気の場合が多いです。

一刻を争うときに胃瘻にして、体回復したので胃瘻を外す事が出来ます。

一時的に栄養をしっかりいれるためには、点滴ではなく胃瘻が最善です。

治療の流れとして作った胃瘻なので、外す事が前提となっております。

成長して口から食べられるようになった時

こちらは小児の場合が多いです。

0歳の時は基本的にミルクですが、ミルクも飲めない場合胃瘻を作り、直接胃にミルクを流します。

成長とともに飲み込む機能の強くなり、口からミルクが飲めるようになったら胃瘻を外す事が出来ます。

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まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

ネガティブなイメージの多い胃瘻ですが、その理由を深掘りしていくと一概には言えないのがわかると思います。

必要に応じて作り、回復したら辞める。

このような柔軟な考えが2021年の主流です。

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