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リハビリテーションと栄養【フレイルとサルコペニア】

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医療介護
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こんにちは。
いつもブログを見て頂きありがとうございます。

今回は終末期の肺炎とリハビリテーションと栄養について考えていきます。

終末期の肺炎であれば、積極的なリハビリテーションや栄養の効果は期待できません。

ましてや逆効果となる恐れもあります。

その場合

  • 苦痛
  • 呼吸苦
  • 浮腫(むくみ)

などの症状を緩和する維持的、緩和的なリハビリと栄養が求められます。

しかし実際の医療の現場では、医師に終末期の肺炎と診断された方が、積極的なリハビリと栄養で朝昼晩共に経口摂取やADLが自立となることがあります。

当記事では

  • オーラルフレイル
  • サルコペニア
  • リハビリテーションと栄養

について深掘りしていきます。

目次

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リハビリテーションと栄養【フレイルとサルコペニア】

まずは口の問題であるオーラルフレイルについてです。

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは、老化に伴うさまざまな口腔の状態(歯数・口腔衛生口腔機能など)の変化に、口腔健康への関心の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔の脆弱性が増加し、食べる機能障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、心身の機能低下にまでつながる一連の現象および過程と定義されています。

参考:
>>日本歯科医師会

オーラルフレイルの基準としては

  • 現在の歯の数が20本未満
  • 咀嚼能力の低下
  • オーラルディアドコキネシス(滑舌)の低下
  • 舌圧の低下
  • かたいものが食べにくくなったか(主観評価)
  • お茶や汁物でむせる

こちらの6つのうち、3つ以上に当てはまるとオーラルフレイルと判断されます。

高齢者の16%はオーラルフレイルを認められ、オーラルフレイルの場合

  • 2年間の身体的フレイル発生が2.4倍
  • サルコペニア発生が2.2倍
  • 要介護認定が23倍
  • 死亡リスクが2.2倍

このように食べる機能や心身の機能低下にまでつながります。

内科や歯科と連携して健康寿命を伸ばすことが望ましいです。

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サルコペニアとは

サルコペニアとは進行性であり、全身性に生じる骨格筋疾患で

  • 転倒
  • 骨折
  • 身体障害
  • 死亡率の向上

などといった有害な病気の増加と関連する症状です。

サルコペニアの原因は様々ですが、

  • 加齢
  • 活動
  • 栄養
  • 疾患

これらにより分類されます。

高齢者の肺炎では、4つの原因すべてを認めることが多いです。

サルコペニアかどうかについては、自宅でも家族でも簡単に判断出来るテストがあります。

サルコペニアの自己診断

  • 4.5kgの荷物の持ち運びは出来るか
  • 部屋の端から端までの歩行移動は出来るか
  • 椅子やベッドからの移動は出来るか
  • 階段を上ることはできるか
  • 過去1年で何回転倒したか

この中で

  • 困難なもの
  • 出来ないものが多い
女性医師
女性医師

たくさん当てはまればサルコペニアが疑われます。

この他にも、一般的な体力測定や、身体機能の低下があるならばサルコペニアと判定します。

回復期のリハビリテーション病院などでは、肺炎後に約95%の方にサルコペニアの症状を認めます。

そのため、終末期の肺炎であればサルコペニアを認める可能性が高と考えられます。

フレイル期にはADLが自立しているが、肺炎になってしまうと介助を要し、終末期にはADLは全介助になる。高齢肺炎における終末期の見極めは家族や医師でも容易ではありません。
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サルコペニアの摂食嚥下障害

サルコペニアの摂食嚥下障害とは、全身および嚥下関連の筋肉量減少、筋力低下による摂食嚥下障害です。

高齢者の肺炎では、全身のサルコペニアを肺炎発症前から認めることが多いです。

肺炎では急性炎症があるため、疾患による二次性のサルコペニアが進行します。

肺炎の入院現場では

  • とりあえず安静
  • とりあえず禁食

とされやすいために、活動による二次性サルコペニアを合併しやすくなります。

肺炎では「とりあえず禁食」に加えて、点滴で1日300kcal程度の「とりあえず水分と最低限の栄養のみ」といった不適切な栄養管理が行われることがあります。

家族としても「点滴をすれば安心」みたいなところもあるので受け入れてしまいます。

このように高齢者の肺炎では、もともとオーラルフレイルで3食経口摂取可能であったにもかかわらず、入院後にサルコペニアの摂食職下障害を発症して、経口摂取困難となることがあります。

高齢者が肺炎を繰り返すと、すぐに終末期に進行してしまいます。

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医原性サルコペニア

医原性サルコペニアとは

  • 病院での不適切な安静や禁食
  • 病院での不適切な栄養管理

これらによるサルコペニアです。

こちらに関しても

  • とりあえず安静
  • とりあえず禁食
  • とりあえず水電解質輸液のみ

こちらが医原性サルコペニアの原因といえます。

つまり

  • 早期離床
  • 早期経口摂取
  • 早期の栄養管理
女性医師
女性医師

これらを行うことで医原性サルコペニアを予防できれば、摂食嚥下障害の悪化も予防できる可能性があります。

実際高齢の肺炎入院患者では、入院後2日以内に経口摂取を開始した場合に、より早期に経口摂取で退院できるとデータがあります。

とりあえず禁食とした場合、誤嚥性肺炎の治癒が遅れます。

そのため、誤嚥性肺炎を含め、高齢者の肺炎では「とりあえず禁食」ではなく、入院後2日以内に摂食嚥下機能を評価すべきです。

また、誤嚥性肺炎の入院高齢患者では、入院後3日以内に理学療法を開始したほうが、理学療法を実施しなかった場合より死亡率が2%低いと言われています。

そのため、誤嚥性肺炎では「とりあえず安静」ではなく、早期に理学療法を開始すべきです。

医原性サルコペニアで医原性終末期を作らないように、家族も情報を得た方が良いです。

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リハビリテーションと栄養

高齢肺炎患者の治療には、リハビリテーションと栄養の考え方が有用です。

リハビリテーション栄養とは、ゴール設定を行ったうえで

  • 障害者やフレイル高齢者の栄養状態
  • サルコペニア
  • 栄養素摂取

フレイルを改善して、機能・活動・参加、QOLを最大限高める為の「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハビリテーション」です。

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まとめ

最期までご覧頂きありがとうございます。

フレイルやサルコペニアには、医療側が問題になるケースも多々あります。

正しい知識を身につけて、医療従事者に質問できるようにしましょう。

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