寒い冬のエンジン始動後,
エンジンを温めるために必要とされている暖気運転ですが、
ベテランドライバーや昭和生まれのドライバーの方にとっては、
当たり前の習慣になっているのではないでしょうか。
しかし、最近の車はエンジン性能が非常に良くなっているので、
特に必要ないと言う意見も少なくありません。
実際のところ暖気はどのように行えば良いのでしょうか。
そこで今回は、暖気運転について考えていきましょう。
目次
暖機運転とは。
そもそも暖気運転とはエンジンを始動させて車を停止した状態のままエンジンをアイドリング回転させ、エンジン内の各部分が適度な温度になるまで待つことをいいます。
昔の車は、エンジンが温まっていないとエンジンオイルの潤滑が不十分でエンジンが傷ついてしまい、内部が摩擦を起こしてダメージの原因となると言われていました。
近年の車とエンジンオイル
しかし、これは昔の話のようで、近年ではエンジンの制御技術や精度が進歩しエンジンが冷えている状態でもしっかりと機能を引き出すことができます。
それに加えて、何といってもエンジンオイルそのもののパフォーマンスが向上し、高品質な幅広いマルチグレードにより四季を気にせず、低温から高温まで幅広い外気温度に対応できる流動性と粘度となっています。
現代では停止時の暖気運転は燃費の面で無駄だ!と言うことになってしまい普通に運転したほうがエコですし、時間も節約できるメリットがあります。
正しい暖気運転の方法とは。
とは言え人間でも寒い冬の朝一に全力疾走したら筋肉や関節を痛めてしまいますので、そういう事態に陥らないために準備運動が必要になります。
それが昔はアイドリング状態での暖気運転だったわけですが、
現代では車を実際に走らせながら暖気する走行暖気が推奨されています。
走行暖機
走行暖気とは具体的にエンジン始動から1分位で走行開始して、約2000回転を上限にエンジンに負荷をかけずに走行することをいいます。
特に急加速、急ブレーキ、急ハンドルなど、急のつく運転は禁物で、走行暖気時間は目安として約10から15分としています。
あと絶対やってはいけないのはエンジンが冷えているときに、エンジンをいきなり高回転まで引っ張ったり、空ぶかしだけはしないでください。エンジン内部などにダメージが受けやすく、エンジン内部が破損する恐れがあります。
停止状態の暖気運転では、ほぼエンジンしか温まりませんが、走行暖気はトランスミッションやサスペンション、足回り、タイヤ、などの部品も温める効果があるので車全体を最適な状態にすることができるといえます。
いつまで走行暖機をするか?
メーター内の低水温ランプ(色ブルー)が消灯するか、
水温計ならば針が動き始めたら、普通走行で構わないです。
例外
以上のように最近の車は基本的には暖気運転が必要ありませんが、例外として、暖気運転をしなければならない車の状態や状況を考えていきましょう。
①極度な寒冷地
外気温がマイナス10度を下回るような極度な寒冷地では暖気運転をする方が良いでしょう。
このような地域ではオイルの潤滑が悪くエンジンの状態が安定しない場合があるのでだめです。
②古い車
最近の車が暖気運転を必要としない理由の1つにエンジンの精度技術や制御技術が進歩したためでありますので、エンジンの性能が昔のままの古い車を使っている方は暖気運転をしたほうがよさそうです。
③ 長期間使っていないのに車
1週間以上、車を使ってないとエンジン内のオイルが下に落ちていき油膜が薄くなってしまいます。このような場合、エンジンを始動後すぐに走り出すとエンジン内にダメージが及ぶ可能性がありますので暖気運転をした方が良いでしょう。
まとめ
最近の車は基本的に停止時の暖気運転は必要がなくなりました。
今ではアイドリングストップ機構が搭載されている乗用車が多数販売されている時代となっています。
必要としない暖気運転や過剰な暖気はガソリンの無駄となってしまいますし、環境にも良くありませんので、エンジンをかけたらすぐに出発しエンジンになるべく負荷をかけずに走る走行暖気を心がけたいですね。